盲導犬とは

盲導犬の仕事の基本は、視覚障害者と一緒に歩くときに遭遇するさまざまな状況の中で、使用者の指示に的確に応え、常に安全に誘導することです。

盲導犬が生まれてから引退するまで

(1)子犬の繁殖

盲導犬に適する優良な犬を育てるために、計画的な繁殖を行い、子犬を確保します。盲導犬に使われる主な犬種は、ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバーなどです。

(2)パピーウォーカー(子犬の飼育委託)制度

子犬は、生後50日前後になると、パピーウォーカーの家庭に預けられ、で約10カ月間育てられます。子犬がパピーウォーカーの家族の豊かな愛情に触れ、家庭内における生活のルールや社会環境を学習し、明るく健康に、将来盲導犬として落ち着いて行動ができるように育てることが目的です。

(3)基礎訓練

イラスト
約1歳になると盲導犬訓練施設に戻ります。施設に戻ると、まず盲導犬としての適性テストを行い、テストに合格した犬だけが基礎訓練(服従訓練)に進みます。「スワレ(Sit)」「フセ(Down)」「マテ(Wait)」などの指示を的確に聞き分け、人間のコントロールに従うよう訓練を行います。

*盲導犬に対する指示語として、日本語を使う訓練施設もあります。

(4)誘導訓練

イラスト
ハーネスをつけてまっすぐに歩く、交差点などでの停止、障害物を避ける、建物の入口や階段など目的物を探す、使用者の指示により安全を優先するための訓練などを行います。最後に訓練士がアイマスクをして歩き、盲導犬としての最終評価を判定します。

(5)共同訓練

イラスト
視覚障害者は盲導犬と約4週間(初めて盲導犬を持つ場合。2頭目以降の場合は2〜3週間)盲導犬訓練所にて寝食を共にし、信頼関係と愛情を深めながら、盲導犬と歩行するときのコントロール方法、健康管理、使用者としての心得などを学びます。

(6)使用者とともに

共同訓練が終了すると、使用者とともに自宅に帰り、盲導犬との共同生活が始まります。使用者は盲導犬というパートナーとともに歩き、暮らしながら、自分らしいあり方で社会参加を実現しています。

(7)引退

盲導犬は、10〜11歳を目安に引退します。引退した後は、引退犬ボランティアの家庭で余生を送ります。盲導犬が引退した使用者には、優先的に次の盲導犬を貸与します。


街で盲導犬に出会ったときは

ハーネスをつけているときは、仕事中です。

ハーネス(胴輪)をつけている盲導犬には、声をかけたり、口笛を吹いたり、なでたり、気を引くようなことはしないでください。気がちると、安全に盲導犬ユーザーを誘導する仕事ができなくなることがあります。

ハーネスには、触らないでください。

盲導犬ユーザーはハーネスによって、盲導犬のようすや道の状況を確認します。ハーネスはお互いをつなぐとても大切な道具です。ハーネスに触られると、盲導犬ユーザーも盲導犬も判断を誤るおそれがありますので、ハーネスにはぜったいに触らないようにしてください。

仕事中の盲導犬には、食べ物を与えないでください。

盲導犬の食事時間はきちんと決まっていて、盲導犬ユーザーとともに規則正しい生活をしています。これはお互いの信頼関係と盲導犬の健康を保つためにとても大切なことです。かわいいと思っても、ぜったいに食べ物をあげたりしないでください。

どうぞ、あたたかく見守ってあげてください。

盲導犬は特別な訓練を受けていますから、吠えたりかんだりすることはありません。しかし、ときには安全のためや周りに迷惑をかけないために叱らなければならないこともあります。そんなとき、いちばんつらいのは盲導犬ユーザーです。犬が苦手な方も、大好きな方も、あたたかく見守っていてください。