『盲導犬情報』 第25号 〜認定NPO法人全国盲導犬施設連合会 情報誌〜

盲導犬情報 第25号


今号の内容

  1. 防災について考える
  2. ヘリコプターによる救助研修訓練 広島市で実施
  3. 2018(平成30)年度身体障害者補助犬育成促進事業等実施実態調査について
  4. 盲導犬情報ボックス「都道府県別 日本の補助犬実働数」
  5. 「新しい生活様式」を考える
  6. 編集後記


1.防災について考える

 近年、日本各地では、局地的豪雨による土砂崩れや河川の氾濫、地震など、様々な自然災害が起きています。災害対策は、一番ひどい状況を想定して考えた方がよいそうですが、では、現在、どんなことを考え、何をしておけばよいのでしょうか?防災グッズを用意する以外にどんなことをしておくべきか、考えてみました。

(1)「自助」の視点から

避難所や避難ルートの確認

 災害によって避難すべき場所も変わります。どのような災害時にどこに避難するのか、確認しておきましょう。

 お住いの地域でどんな災害が起きやすいのかについては、ハザードマップを調べておくとわかります。残念ながら、立体地図や情報を音声化した、視覚障害者にもわかるハザードマップを作成している自治体はごくわずかです。それぞれの自治体に働きかけ、視覚障害者にもわかる方法での情報提供やそのための説明会の開催など検討するよう働きかけていきましょう。

 また、避難所の場所だけでなく避難ルートも考えておきましょう。例えば、停電した場合には信号のある交差点を使わずに行けるルートがあるか、といったことも確認しておくとよいでしょう。

連絡方法の確認

 災害直後はライフラインが遮断され、安否確認のための電話やメールが不通になる可能性がありますが、大規模災害発生時には、災害用伝言板が開設されます。自分の安否情報を登録することができ、その内容を全国から確認することができます。

 災害用伝言ダイヤルの利用方法は、以下の日に体験することができます。ぜひ体験しておいて、災害発生時に利用できるようにしておきましょう。

 そして、もしもの時のために、携帯電話はこまめに充電しておきましょう。

(2)「共助」の視点から

 平成25年6月の災害対策基本法の一部改正により、高齢者、障害者、乳幼児など特に配慮を要する方(要配慮者)のうち、災害発生時の避難等に特に支援を要する方の名簿(避難行動要支援者名簿)の作成が自治体に義務付けられました。

 しかし、自治体が把握していても、実際に災害が起きた時に、素早く要配慮者の自宅に職員が派遣されるわけではありません。

 そこで、まずはご近所で声を掛け合うことができる関係性を築いておきたいものです。何か起きる時またはその前に声をかける、一緒に避難所に行く、そんな協力をしてくれる人を見つけておきましょう。あるいは、地域の民生児童委員に、「何かあったら、自分で××までは行くが、もし××に来てなかったら様子を見に来てほしい」と伝えておいてはどうでしょうか。

(3)「公助」の視点から

 事前に町内会長に相談するなどして、地域の避難訓練にも積極的に参加し、災害が起きた時に盲導犬を連れて避難することを伝えておきましょう。避難場所になる施設を事前に見学させてもらい、その時に、犬の排泄場所を確認したり、排泄方法を知らせておけば、避難所運営に関わる立場になる町内会長の、盲導犬を連れて避難することについての不安を軽減させることができるかもしれません。

(4)出身協会との確認事項

 災害時の連絡方法や、自宅・親戚宅・避難所・職場など、まずどこに行く予定なのかを知らせておきましょう。また、被災し盲導犬を手元においておくことが困難になった場合、どの程度の協力者が身近にいるのかといったことも事前に確認し、知らせておきましょう。

 出身協会に盲導犬の預かりを要請する場合、災害の規模によっては、すぐに対応できない場合もあると思います。出身協会との連携は取りつつも、基本的には、「自分の命を守り、犬の命も守る」という意識をもち、行動できるよう、しっかり準備しておきましょう。

2.ヘリコプターによる救助研修訓練 広島市で実施

(1) 災害へ備え盲導犬ユーザーの「空からの救助」を検証〜救助訓練実施へむけた取り組み

公益財団法人 日本盲導犬協会

盲導犬歩行指導員 山田 大(まさる)

ヘリコプターによる盲導犬ユーザー救助訓練実施の経緯

 2019年に続き2020年8月20日、広島市で「大規模災害発生時における視覚障害者等のヘリコプターによる救助訓練」が行われ、日本盲導犬協会が今年も協力をしました。きっかけは、2018年7月の西日本豪雨で、盲導犬ユーザーが冠水により自宅に取り残され、この時に盲導犬を救助したことでした。その際は盲導犬を抱え腰まで水に浸かりながら冠水した道路を歩いて、なんとか救出することができました。この経験から、災害時に犬を抱えて一緒に救出することは、救助隊員にも難しいと感じていました。

 豪雨の翌月には、広島市消防局消防航空隊隊長より日本盲導犬協会に「ヘリコプターでの救助現場において、視覚障害者が盲導犬を連れていた場合、どうしたら救助できるか」という相談を持ちかけられ、この取り組みが始まりました。これまで国内では救助ヘリコプターで盲導犬を救出した事例は無く、全国でも初めての試みという事でした。

視覚障害者と盲導犬の吊り上げ救助を行うための準備

 広島市消防局航空隊では、人と盲導犬を同時に上空からワイヤーで吊り上げる救助方法を確立したいと考えていました。2018年11月、犬の吊り上げ方法や道具の検討が始まり、翌年5月には海外の軍用犬を空から降ろすための特殊なドッグハーネスを入手、犬に何度も装着しながら安全面で問題ない事を確認しました。

 また、相手に寄り添った救助活動を行う事が出来る様、視覚障害やその他の障害と補助犬に関する勉強会を開催。救助隊員は、アイマスクを着け救助する側、される側を体験する中で、誘導や状況説明での声かけがいかに重要か、多くの気づきがあったといいます。

ヘリコプターでの吊り上げ訓練

 当日、筆者がアイマスクをつけ救助者役となり訓練に参加しました。まずは地上で停止している機体で、吊り上げの手順を確認。人にはピタゴールというハーネスを装着します。大きな布を両脇・股下から通し、胸で1つにまとめ、体はしっかりと包まれて安心感があります。犬に対しては、懸念事項であったヘリコプターの騒音やプロペラの風圧に対する反応を確認しました。音や風圧に驚いている様子がありましたが、どの犬も極度に怖がるようなことはありませんでした。1つ1つ安全な方法を検証しながら、実際に飛んでいるヘリコプターでの吊り上げを行いました。

 ヘリコプターから地上へワイヤーで隊員が降りてきて、救助者に声をかけ、ヘリコプターは一度その場から離れます。隊員は犬にドッグハーネスを装着し、次に救助者にピタゴールを付けます。体育座りで犬を正面に軽く抱える様に指示を受け、犬を挟む様に隊員が向かい合います。ワイヤーを隊員・救助者・盲導犬に連結し、上空約30mまで吊り上げられました。機体まで上がると、ヘリコプターの中で待っている隊員に支えられて機体に収容されます。アイマスクを付けての体験でしたが、上空にヘリコプターが来た時の風圧が想像以上で、人も犬も少し驚いたけれど、吊り上げられ空中に浮いてからは揺れる事も無く、犬も大きな動きはせず安心できている様子でした。

成果と今後の課題

 広島市消防局が救助方法を確立し、現在は広島県と島根県防災航空隊でも同様の救助が可能となりました。今回は、西日本豪雨で被災したユーザー清水和行さんと盲導犬ルーラも訓練に参加、「救助の選択肢が増えた事は心強く、今後他の救助方法の展開も期待できる」と語りました。空からの救助は盲導犬に限らず、聴導犬や介助犬にも適応できるよう準備されています。ただ、災害状況によっては救助活動の危険が高い場合や補助犬の状態が不安定な時など、救助ができないケースも想定されます。

 災害時に最も重要な事は「逃げ遅れる前に避難する事」であり、その為には避難所やそこまでの経路の確認、支援を要請できる人を見つけておく等、日頃の備えが大切であることも再認識しました。

(2)ヘリコプターによる視覚障害者と盲導犬の救助訓練に参加して

広島県  清水 和行

 2020年8月20日。この日、現役の盲導犬が日本で始めて空を舞いました。災害を想定した救助訓練で、私とルーラがヘリコプターに吊り上げられたのです。

 2年前の西日本豪雨で、我が家は家が半壊するほどの被害を受けました。私と妻と娘は、2頭の盲導犬とともに2階に垂直避難しました。このことを知った広島市消防航空隊の隊長さんが、ヘリコプターによる視覚障害者と盲導犬の救助方法について、昨年度から日本盲導犬協会と協力していろいろと研修を重ねてこられたそうです。

 当日は、訓練の前に、西日本豪雨の被災体験や私にとっての盲導犬の大切さなどについて話をする機会をいただきました。もしもあのときルーラを残して私だけが避難するとしたら…。おそらく私にはそんなことはできなかったと思います。

 その後、まずは地上で隊員さんが、盲導犬と私に布製の救助用ハーネスを付ける訓練を行いました。犬に付けるハーネスは軍用犬をヘリコプターから降下させるときに使うものだそうです。わざわざ外国から取り寄せたとうかがいました。ルーラの盲導犬用のハーネスは隊員さんがリュックに入れて一緒に持っていってくれるとのことでした。

 そしていよいよ実際の訓練です。上空のヘリコプターから二人の隊員さんが降下。私とルーラに声をかけ、すばやく救助用のハーネスを装着。私は地面に足を伸ばして座り、その足の上でルーラをだっこするような姿勢を取りました。私の前には一人の隊員さんが丁度ルーラを挟むように座りました。ヘリコプターのワイヤーが巻き取られ、私の体は空中に浮き上がりました。思ったより怖くはありませんでした。ただ、ヘリコプターの爆音と突然吹く突風には驚きました。しばらくすると背後から抱きかかえられるようにヘリコプターの機内に引き上げられました。地上から30メートルほどの高さだったそうです。

 今回の訓練には広島県だけでなく、中国5県と愛媛県からも見学がありました。その後、ニュースを見た他の県からも問い合わせがあったそうです。この事例が全国に知られることで、まさかの時に盲導犬とその使用者の命が助かる可能性が広がったということです。隊長さんは盲導犬だけでなく、介助犬や聴導犬についても救助が可能になるのではないかと言われていました。嬉しいことです。

 しかし、隊長さんはヘリコプターによる救助は最後の手段とも言われていました。そもそもヘリコプターそのものが、隊員の命を含め、危険を伴うものだからだそうです。障害の有無に関わらず、まずは災害に巻き込まれないための準備と努力が肝要だとも言われていました。その通りだと思います。「災害は忘れたころにやってくる」時代ではなく、「災害は忘れる間もなくやってくる」時代ですから。

3.2018(平成30)年度身体障害者補助犬育成促進事業等
  実施実態調査について

 特定非営利活動法人 日本補助犬情報センターでは、都道府県・政令指定都市・中核市に、毎年、身体障害者補助犬育成促進事業等実施実態調査を行い、その結果を「身体障害者補助犬育成促進事業等実施実態調査」にまとめています。今回は2018(平成30)年度の調査報告書の概要をご紹介します。

1.2018(平成30)年度補助犬育成促進事業実施実態調査の結果

(1)補助犬育成促進事業の実施について

盲導犬:68%が実施
介助犬:13%が実施
聴導犬:4%が実施

(2)盲導犬育成促進事業実施頭数と1頭あたりの助成金額
北海道 7(1,800,000円)
青森県 0
岩手県 2(1,500,000円)
宮城県 2(1,500,000円)
秋田県 1(1,500,000円)
山形県 0
福島県 0
茨城県 2(1,984,500円)
栃木県 0
群馬県 2(1,782,000円)
埼玉県 2(1,984,500円)
千葉県 2(1,984,500円)
東京都 7(無記入)
神奈川県 2(1,910,800円)
新潟県 4(1,890,000円)
富山県 0
石川県 3(1,890,000円)
福井県 0
山梨県 2(1,686,050円)
長野県 1(1,944,000円)
岐阜県 0
静岡県 4(1,984,500円)
愛知県 3(1,500,000円)
三重県 0
滋賀県 1(1,500,000円)
京都府 1(1,500,000円)
大阪府 3(1,728,000円)
兵庫県 3(1,890,000円)
奈良県 1(1,890,000円)
和歌山県 0
鳥取県 0
島根県 1(1,890,000円)
岡山県 1(1,944,000円)
広島県 1(1,980,000円)
山口県 1(1,500,000円)
徳島県 0
香川県 1(1,980,000円)
愛媛県 1(1,944,000円)
高知県 1(2,041,000円)
福岡県 3(1,500,000円)
佐賀県 0
長崎県 1(1,450,000円)
熊本県 0
大分県 0
宮崎県 2(2,007,500円)
鹿児島県 1(1,944,000円)
沖縄県 未回答
(3)都道府県における補助犬育成促進事業の助成金交付先
・盲導犬
希望者が選んだ訓練事業者:73%
指定する団体:4%
委託する団体:21%
無記入:0%
未回答:2%
・介助犬
希望者が選んだ訓練事業者:72%
指定する団体:4%
委託する団体:13%
無記入:9%
未回答:2%
・聴導犬
希望者が選んだ訓練事業者:72%
指定する団体:4%
委託する団体:13%
無記入:9%
未回答:2%

2.補助犬に関する助成施策等の実施状況

(1)都道府県
(篏犬の健康管理費(予防接種、医療費など)
埼玉県:
身体障害者補助犬健康管理費助成事業
石川県:
県内のユーザー団体に基金を設立し、助成対象費用計の半額を対象に1頭当たり年間 11,000円を上限に助成する
福井県:
身体障害者補助犬の衛生管理に必要な処置(健康検査3回、狂犬病予防接種、混合ワクチン接種、犬フィラリア病抗原検査、犬フィラリア病予防薬)を県獣医師会に委託
鳥取県:
予防接種代助成
島根県:
「身体障がい者補助犬健康管理費助成事業」
補助犬使用者が補助犬に獣医師による健康診断、予防接種及びその他の疾病予防措置等を受けさせた場合にその費用を助成する
香川県:
厚生労働省が作成した「身体障害者補助犬の衛生確保のための健康管理ガイドライン」に定められているもの・獣医師による健康診断・獣医師による予防接種及びその他の疾病予防措置等・実施が望まれる疾病予防措置
∋育のための必要経費(餌など)
茨城県:
飼育費、犬医療費、歩行指導費等
愛知県:
治療代、医薬品購入代金、ドッグフード・犬用ガム・ブラシ等購入代金
(2)政令指定都市
(篏犬の健康管理費(予防接種、医療費など)
横浜市:
身体障害者補助犬定期検診等助成事業(補助犬医療証を発行し、市獣医師会所属の施設で定期検診、疾病にかかる診療を受けた場合の費用を市が負担)
新潟市:
登録手数料・狂犬病予防注射済票交付手数料・鑑札の再交付手数料・狂犬病予防注射済票再交付手数料の免除
名古屋市:
身体障害者手帳1級から3級の方で、日常生活補助のために使用する補助犬及び盲導犬として育成している犬に係る次の手数料の免除
登録申請手数料(3,000円)、狂犬病予防注射済票交付手数料(550円)、鑑札の再交付手数料(1,600円)及び狂犬病予防注射済票再交付手数料(340円)
神戸市:
補助犬の健康管理を図るために必要な健康診断、予防接種、治療等に充てる経費を補助
広島市:
身体障害者補助犬を使用・養育している者のうち、低所得のため、補助犬の養育に要する費用の負担が困難な者に対して、その一部を支給し、補助犬の適正な管理を行わせる
∋育のための必要経費(餌など)
仙台市:
仙台市身体障害者補助犬飼料給付事業
名古屋市:
身体障害者補助犬飼育費補助事業(4,800円/月)
岡山市:
補助犬を現に使用している者に対し、飼育に要した経費の一部を助成する
(3)中核市
(篏犬の健康管理費(予防接種、医療費など)
いわき市:
福島県獣医師会が実施する「身体障がい者補助犬愛護支援事業」について、本市において把握しているすべての補助犬ユーザーへ情報提供した。
宇都宮市:
補助犬導入等補助金(補助犬ユーザーに対し,管理経費の一部を補助)(補助犬導入時に10万円、導入の次年度から年2万円を5年間)
金沢市:
狂犬病予防関係の手数料の減免
犬の登録(鑑札の交付を含む)手数料の減免
姫路市:
1ヶ月5000円の健康管理費支給(所得税非課税世帯)
所得税課税世帯は1ヶ月4000円
尼崎市:
狂犬病予防注射済票
交付手数料の免除
福山市:
犬の登録,狂犬病予防注射済票の交付等手数料の免除
∋育のための必要経費(餌など)
岐阜市:
飼育のための費用を1頭につき月額4800円助成する
倉敷市:
在宅の方で、身体障害者手帳1級の視覚障害者で、安全確保のために盲導犬の飼育を必要とする方に経費の一部を助成する。
下関市:
補助犬飼育費の助成(2018年度から実施)
その他
宇都宮市:
身体障がい者補助犬育成支援事業(補助犬ユーザーと無償貸与契約を交わし補助犬使用の利用に供した育成団体に対し、上限20万円を補助)
越谷市:
狂犬病予防法に基づく犬の登録手数料、注射済票交付手数料、鑑札再交付手数料及び注射済票再交付手数料の免除
船橋市:
犬の登録、犬鑑札の再交付、狂犬病予防注射済み票の交付、狂犬病予防注射済み票の再交付に係る手数料の免除
富山市:
盲導犬給付決定に係る交付対象者の自己負担金に対し、補助金の交付を行っている。
岐阜市:
狂犬病予防注射済票交付手数料の免除(岐阜市生活衛生課にて実施)
尼崎市:
犬の登録手数料の免除

3.補助犬に関する相談・苦情等の受付の有無

(1)都道府県
〜蠱漫Χ貍霤
・盲導犬:
あった 64%
なかった 34%
未回答 2%
・介助犬:
あった 23%
なかった 75%
未回答 2%
・聴導犬:
あった 11%
なかった 87%
未回答:2%
¬嫺蓋い亡悗垢詭笋す腓錣擦旅猝椶帆蠱娘圓砲弔い
(2)政令指定都市・中核市
〜蠱漫Χ貍霤
・盲導犬:
あった 33%
なかった 51%
その他 1%
未回答 15%
・介助犬:
あった 12%
なかった 72%
その他 1%
未回答 15%
・聴導犬:
あった 4%
なかった 80%
その他 1%
未回答 15%
¬嫺蓋い亡悗垢詭笋す腓錣擦旅猝椶帆蠱娘圓砲弔い

*9月30日現在、未回答の自治体については回答待ちです。

報告書の詳細は、後日、日本補助犬情報センターのホームページにアップされ、PDFファイルでダウンロードできる予定です。
https://www.jsdrc.jp/documents/doc_reports/

4.盲導犬情報ボックス

○都道府県別 日本の補助犬実働数

現在の日本の補助犬実働数は次のようになりました。

・盲導犬実働頭数(2020.3.31現在)909頭
社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会 自立支援施設部会盲導犬委員会
「2019年度盲導犬訓練施設年次報告書」より。

・介助犬と聴導犬実働頭数(2020.4.1現在)介助犬62頭、聴導犬69頭
厚生労働省「身体障害者補助犬実働頭数(都道府県別)」より。

盲導犬実働数909頭に、1頭の盲導犬を夫婦二人で使用するタンデム方式の盲導犬使用者19組を加え、盲導犬使用者数を算出してみると、日本国内で盲導犬を使用している視覚障害者の方は928人です。
*この数字には、連合会に加盟していない育成団体の数字が含まれています。

なお、タンデムの盲導犬使用者を地域別にみると、都道府県別では、広島県に3組、大阪府・兵庫県・和歌山県・鹿児島県に各2組の他、東京都・長野県・愛知県・滋賀県・島根県・岡山県・山口県、福岡県に各1組おられます。

国内の指定法人が1年間に育成した盲導犬の頭数は102頭。うち新規の使用者のパートナーとなった盲導犬は33頭、代替えは69頭で、年間育成頭数の67.6%が代替えとなっています。

都道府県別 日本の補助犬実働数

盲導犬、介助犬、聴導犬の順で数字を掲載

盲導犬 介助犬 聴導犬
北海道 46 2 0
青森県 7 0 0
岩手県 9 4 0
宮城県 25 1 0
秋田県 11 1 0
山形県 6 0 0
福島県 19 0 0
茨城県 18 0 0
栃木県 11 1 0
群馬県 8 1 1
埼玉県 46 3 5
千葉県 28 1 0
東京都 101 7 17
神奈川県 67 8 7
新潟県 28 0 3
富山県 7 0 0
石川県 15 0 1
福井県 6 0 0
山梨県 18 0 0
長野県 19 3 0
静岡県 36 2 2
愛知県 38 4 0
岐阜県 7 1 0
三重県 10 1 0
滋賀県 12 1 3
京都府 10 3 3
大阪府 61 7 13
兵庫県 39 2 1
奈良県 17 1 5
和歌山県 4 0 3
鳥取県 6 0 0
島根県 13 0 0
岡山県 15 2 0
広島県 20 0 0
山口県 18 0 0
徳島県 2 2 1
香川県 7 0 0
愛媛県 13 1 2
高知県 5 1 0
福岡県 25 0 0
佐賀県 5 0 0
長崎県 4 0 1
熊本県 4 0 0
大分県 11 1 0
宮崎県 10 0 0
鹿児島県 13 0 0
沖縄県 9 1 1

5.「新しい生活様式」を考える

1年前には思いもしなかった、新型コロナウイルス感染症。感染拡大により「緊急事態宣言」が出され、私たちの日常生活は大きく変わりました。そして、終息するまでまだまだ時間がかかりそうな今、「ウィズコロナ」の段階に。「密閉」「密集」「密接」の3密を避け、こまめな手洗いや消毒・咳エチケット、そして、人との接触を8割減らすことも重要である、と「新しい生活様式」の実践が呼び掛けられています。

手引きが「密接」になると思われるのか、「街を歩いていて、声をかけてくれる人が減った」「援助を依頼しにくくなった」という声も聞きます。直接、接触しないようにとロープやS字フックなどを使用する手引きの方法をとっている事業所もあるようです。しかし、手引きを受ける時、何かを確かめる時、視覚障害者にとって「さわること」「接触すること」は避けられない方法であり、何より大事な方法です。感染予防はしっかりしつつも多様性のある「新しい生活様式」が認められる社会でありたいものです。

また、医療従事者と支援スタッフのためのサポートガイド「視覚に障がいのある方が新型コロナウイルスに感染し入院したら」というリーフレットが、堺市立健康福祉プラザ視覚・聴覚障害者センターのホームページからダウンロードできるようになっています。これは、国立がん研究センターの職員らによる厚生労働省の研究班が、医療現場での視覚障害者対応を説明した3年前のリーフレットを元に作ったそうです。いざという時に医療関係スタッフに示せるようプリントアウトしておいてはいかがでしょうか。

6.編集後記

『点字毎日』7月16日号に「信号機対応スマホアプリ完成」という記事が掲載されました。歩行者用信号の色などを音声や振動で知らせるスマートフォン用アプリ「信GO!」がリリースされた、とのこと。信号の色を知らせるだけでなく、交差点接近通知機能や青信号の時間延長要求機能もあるそうです。早速、スマホにこのアプリをダウンロードしたのですが、「サービス提供範囲外です」とのメッセージが。残念ながら、このアプリが対応しているのは「歩行者等支援情報通信システム(PICS)の信号機。順次拡大していく予定だそうですが、実際の使用可能区域は4月時点で宮城県内の50カ所と静岡県内の23カ所、千葉県内の1カ所と限定的。既に使っている方がおられたら、ぜひ使い勝手を教えてください。投稿お待ちしております。