『盲導犬情報』 第18号 〜認定NPO法人全国盲導犬施設連合会 情報誌〜

盲導犬情報 第18号


今号の内容

  1. 盲導犬育成ジャパンセミナー第二回を開催 「事故・ヒヤリハット調査報告」について
  2. 新たなタイプのホームドアについて
  3. 盲導犬と行く!全国津々浦々観光情報〜北海道編パート2〜
  4. 盲導犬ユーザーのコーナー 『「青春18きっぷ」でたくさんの方に助けてもらった話』 北川さよ子
  5. 盲導犬情報ボックス
  6. 盲導犬に関する文献
  7. 認定NPO法人全国盲導犬施設連合会からのお知らせ
  8. 編集後記


1.盲導犬育成ジャパンセミナー第二回を開催 「事故・ヒヤリハット調査報告」について

  2017年2月8日と9日の両日、日本盲導犬協会神奈川訓練センターにて「全国盲導犬施設連合会主催 第2回 盲導犬育成ジャパンセミナー」を開催しました。
  今回で2回目となる本セミナーでは、「より安全・安心な盲導犬歩行のために」をテーマに各育成施設の取り組みや研究が発表され、日本全国から総勢150名を超える盲導犬育成事業関係者や盲導犬ユーザーが参加しました。
  専門家による講演や訓練士からの共同訓練に関する事例発表の他、9日には全国盲導犬施設連合会が実施した「事故・ヒヤリハット調査」の報告発表も行われました。(発表者:全国盲導犬施設連合会 吉川運営委員)
   ジャパンセミナーでの報告発表内容の中から、事故・ヒヤリハット調査結果の一部をご紹介します。

◆事故・ヒヤリハット調査報告
  2016年8月15日に発生した東京メトロ青山一丁目駅ホーム転落事故の検証の一環として、全国の盲導犬ユーザーを対象に事故やヒヤリハットの経験を調査した。
  調査方法は、日本の盲導犬育成施設11施設中10施設の協力により、各施設に所属する盲導犬ユーザー730人へ、盲導犬歩行中の事故・ヒヤリハットの経験を調査。うち554人からの回答を得た(第一次調査)。
  さらに、回答のあったユーザーのうち、事故・ヒヤリハット経験があるユーザーに対して電話による聞き取り調査(第二次調査)を実施した。
  調査の結果とまとめは次の通りである。

  ・盲導犬ユーザーの7割が単独で駅を利用したことがあり、ホームからの転落経験は26人で4.7%と、視覚障害者で駅ホームから転落経験がある人31.3%(日本盲人会連合・毎日新聞調査2016年12月)に比べると、盲導犬歩行では7分の1であった。
  ・車両とホームの間に足を落とす、車両に挟まれたことがあるは22.2%が経験している。
  ・盲導犬歩行になってから、危険な経験・ヒヤリハットの経験が大いに減った・減ったと答えたユーザーは全体の65%。3人に2人は盲導犬歩行の有用性を感じている。増えたと答えた5.1%は、ユーザーとなってから単独歩行が増えたためと答え、盲導犬歩行の有用性を示している。むしろ、盲導犬歩行になってからも変わらないと答えたユーザーが19.3%で、有用性を感じていないとすると今後の課題となる。
  ・第二次の聞き取り調査では、事故やケガの発生時、普段と異なる状況は無く、いつも通りと感じていたのは70.4%。普段と変わらない状況で事故が発生している。ヒヤリハットでは普段との違いを感じており、このことが事故に至らないことが示唆され、自分・周りの状況を客観視できることが事故防止には大切である。
  ・盲導犬の作業に問題があると断定できるケースはほとんどなく、犬を引っ張った、犬を押した、犬より前に出た、方向を勘違いしていた、電車があると思い込んでいたなど、ユーザーの歩行ミスや錯覚が主な事故原因。
  ・ガイドヘルパーや駅員などの援助の声掛け・伝え方が悪かったため、事故が起きているケースもあった。
  ・各訓練施設も、事故から学ぶものは多く、視覚障害者の安全な歩行のためにしっかりと事故調査をすることが大切である。

2.新たなタイプのホームドアについて

  駅ホームからの転落防止に非常に効果の高いホームドアですが、国土交通省の資料によると平成28年3月末現在、日本全国の駅のうち665駅にしか設置されていません。
  ホームドアの普及がなかなか進まない理由として、電車は車両ごとに扉の数が違うこと、設置するにあたり膨大な費用がかかることなどが掲げられますが、ホームドアは視覚障害者だけではなく、高齢者、子どもなど、すべての人の安心安全に繋がる設備です。
  国土交通省と鉄道事業者では、先にあげた課題に対応すべく、新たなタイプのホームドアの技術開発を推進しています。
  そこで今回は、当連合会で現地を見てまとめたJR高槻駅と京急久里浜線三浦海岸駅に設置されている、新たなタイプのホームドアについて、その形状や動きなどをご紹介します。

JR高槻駅の昇降ロープ式
  大阪府高槻市にあるJR高槻駅、1番ホームと6番ホームの線路側には、電車の乗車位置に、頑丈なワイヤーのようなロープが横向きに4本張られており、このロープが昇降することで、ホームドアの役割を果たしています。
  電車がホームに到着すると、すぐに「ロープが上がります」というアナウンスが流れ、ロープが真上に向かって動き出します。約4秒程かけて真上まで上がりきると電車のドアが開き、乗客の乗り降りが始まります。乗客の乗車が完了すると「ロープが下がります」というアナウンスが流れてロープが下がり、同時に電車のドアが閉まります。
  ロープは支柱で繋がっており、下がっている状態の高さはおよそ130cm程度、上がる時は、電車のドアよりも高い位置までロープが上がるので、よっぽど背の高い人ではない限り、乗車時ロープに頭がぶつかるということはないでしょう。
  ロープに近づきすぎると、「ロープから離れて下さい」という警告音が流れます。また、ロープとロープをつなぐ柱の部分には乗車位置が点字で記されています。
  ドア部分を昇降式のロープにすることで、開口部を広く作ることができます。これにより、車両ごとに異なる扉の位置にも対応可能です。

京急久里浜線三浦海岸駅
  神奈川県三浦市にある京急久里浜線三浦海岸駅では、マルチ対応ホームドア、通称「どこでもドア」の実証実験をしています。現在は実験段階なので1番線の後方に1車両分だけ設置されています。
  この「どこでもドア」は、一般的なホームドアに似た形状をしていますが、車両のドア位置に合わせてホームドアの開閉位置が変わります。
  「どこでもドア」には、開閉位置が3か所あるのですが、例えば2ドア車の電車がホームに入ってきたら、3か所のうち2か所のみ開き、電車のドアがない部分は開きません。ですが、3ドア車の電車が来たときには3か所全てが開きます。ドア数やドア位置が異なる車両にも対応できるホームドアとして、開発を進めているものとの事です。
  実証実験は2016年10月24日から1年間の実施予定です。実物を確認したい方はお早めにどうぞ。
  余談ですが、三浦海岸駅からは徒歩3分ほどで海岸へ行くことができます。名物の美味しいマグロに舌鼓をしつつ、海岸を散歩するととても気持ち良いですよ。

  国と鉄道事業者が一丸となり、乗客の安心安全を守る為の取り組みをしています。新しいタイプのホームドア技術開発が進むと多くの駅にホームドアが普及します。障害のある方だけではなく、子どもからお年寄りまで、さまざまな乗客が安全に駅を利用できるよう、ハード面の改善に期待が高まります。

盲導犬と行く!全国津々浦々観光情報〜北海道編パート2〜

公益財団法人北海道盲導犬協会

  3月でもまだ雪が残る北海道。毎年4月末までは札幌市内でもスキーが楽しめるほどです。今回は季節を問わず楽しめる北海道・札幌近郊をご紹介いたします。
  札幌は日本最北の政令指定都市で、人口は約200万人。昨年末50年に1度と言われる大雪に見舞われましたが、地下鉄や地下街も発達しており、札幌駅前通りの地下歩行空間を使うと札幌駅〜大通やすすきの間を、地上に出ることなく歩くことができます。また札幌市は、2026年冬季オリンピック開催地に立候補する意向を表明しています。
  実は私たちも冬季オリンピックを体験できる施設が札幌にあります。スキージャンプの試合等でも使用される、大倉山ジャンプ競技場の麓にある「札幌オリンピックミュージアム」です。(2017年2月21日リニューアルオープンしました)
  1972年に開催された冬季オリンピック札幌大会にまつわる貴重な資料を多数展示しているほか、シミュレーターを使って、ジャンプの踏み切りやボブスレーの滑走等、アスリートになった気分が味わえる「体感・体験コーナー」は盲導犬ユーザーや視覚障がい者の方も楽しめるコーナーとして人気です。
  また食の宝庫・札幌のビールといえば、サッポロビール。1876年にクラーク博士が札幌農学校(現・北海道大学)に着任後、設置した官営の麦酒醸造所が前身です。その歴史を感じながらジンギスカンを食べられる場所が、札幌市東区にある「サッポロビール園」。日ごろより北海道盲導犬協会へご協力いただいており、札幌オリンピックミュージアムと同様に、盲導犬同伴大歓迎です。敷地内には日本唯一のビール博物館のほか、味わい・雰囲気の異なる5つのレストランがあります。博物館では無料の見学以外に、参加者しか味わえない創業当初の味を復刻した「復刻札幌製麦酒」を試飲できる有料ツアー(要予約)もあり、レストランではジンギスカンはもちろん、カニ・寿司食べ放題コースもあるので、お腹の中から札幌を体感いただけます。
  最後に、「盲導犬情報」を読んで下さる方なら、ご存じ北海道盲導犬協会をご紹介します。札幌市南区にあり、観光名所でもある藻岩山の近くなので周辺地域は四季折々の自然を感じながら歩くことができます。昭和45年に設立した当協会ですが、雪道歩行と並ぶもう一つの代名詞といえるのが「老犬ホーム」。昭和53年、感謝の気持ちを込めて引退した盲導犬たちを迎えるため、世界で初めて整備しました。現在も引退犬たちが心地よく過ごせる環境を整えています。昨年、この老犬ホームを担当して29年となる職員が、盲導犬や老犬ホームの成り立ちについて綴った書籍が発売されました。点訳やデイジー化もされていますので、ご興味のある方は「ハーネスをはずして 北海道盲導犬協会の老犬ホームのこと(あすなろ書房 辻恵子著)」をお読みください。また、当協会では毎月1回の定例見学会(予約制)を開催しております。
  いかがでしたか?札幌とはいえ雪解け時期はまだ気温も低く、路面の凹凸や交差点前、歩道上に水溜りが多くありますので、パートナーと歩行される際は気温差や泥はねにご注意いただいたうえで、都会と自然が融合する街、札幌をどうぞお楽しみください。

4.盲導犬ユーザーのコーナー

『「青春18きっぷ」でたくさんの方に助けてもらった話』 北川さよ子

  2017年1月8日(日)6時25分、予約していたタクシーに連れ合いと私とカークと乗った。今日の乗務員のTさんは、親切で丁寧で料金も良心的でありがたい。
  外出する時は、お茶にお弁当にドックフードなど、必ずリュックに入っているが、電車やバスが止まってカンヅメになったときの備えにと、コンビニで手巻き寿司とおにぎりを買って、6時58分の電車に乗った。
  野洲駅から2時間以上座ることができたが、乗り換えた相生駅から岡山駅までの1時間以上は立ちんぼだったから、少々疲れた。この駅でマリンライナーにスムーズに乗りかえできたのは、頭の中に構内地図があるからだ。
  車内でトイレに行きたくなった私は、相方に付いてきてもらうと荷物を見てもらう人がいなくなるので、意を決してカークと車両の後ろへと移動した。壁に突き当たったところで右に進むとトイレのドアがあるそうだ。でも、相方の説明では頭の中で地図を描くことができない。壁に突き当たった私は、女性の声がする方を向いて、
「トイレのドアはどこにありますか?」
  と大きな声で尋ねたら、相手は外国人のグループだった。「ありゃぁ、しゃべれんしどうしよう?」と困っていた私に、腰掛けている若そうな男性が、「左手を伸ばせばトイレのドアですよ」と教えてくださった。また、どなたかさっと私の手を取って、ドアの押しボタンを触らせてくれた。一瞬、「上のボタンが開くのか、閉まるのか?どっちやねん!」と迷いながら上を押したらドアが開いた。「犬はどうしよう?」と誰にいうわけでもなく独り言を言ったら、私の前にいた若い男性が、「僕は車いすですが、しっかり車いすも入れる大きさのトイレだから、盲導犬も入れますよ」と教えてくれたので安心してカークと一緒に中に入った。
  でも、ペーパーの位置にカギの位置、流すところに手を洗うところと、高さも位置も使い方もトイレによってまちまちで、パニック! 全国世界中共通したトイレがあればよいのになと思う。
  自分の席は、何両目のいくつ目とそこそこ覚えているものの、在来線では通路に物があるやら人はあちこち立っているやらで、車内を移動するのはなかなか大変。そんな時こそ、でかいカークが頼りになる。知らない人が、私の右腕をグイっと引っ張って、もう少し前に行けばあなたの席だよという無言の合図! それとも、座っている私にぶつかってこないでよね、という合図だったのかもしれない。
  高松駅に降りると、初めてひとり旅をしたことを思い出した。「こんなに広い駅やったやろうか? こんなにきれいな雰囲気の駅やったやろうか?」と、余裕のヨッチャンで耳と鼻で観察能力が作動している。雨は容赦なくじゃんじゃんぶり。私の記憶では高松駅の前の道をまっすぐ5分あまり歩いたところに琴平電鉄の駅があるはず、でもなかなかそれが見あたらない。交差点を右に渡らねばならないのに左に渡ってしまったようで、それを見ていた親切な男性が、「こちらですよ」と声をかけてくださり、琴平電鉄の駅まで誘導してくださった。
  琴平電鉄の駅員さんは仏生山駅までの切符を買ってくださり、ホームのベンチを教えてくださって、6つ目の駅で降りるようにと親切に教えてくださった。仏生山駅で降りると駅員さんがホームにいてくださり、改札口を出ると、お寺の方に紹介していただいた村の役員のSさんが自家用車で待っていてくれた。
  法然寺に着いてご朱印をいただいて、法然上人が宿泊されたお堂や本堂やらを説明していただいた後、「雨で町内をあちらこちらへと案内してあげられないのが残念だ」と言いながら駅まで送ってくださった。そして、「大名行列のあるときに来てみたら楽しいよ」と教えていただいた。
  駅に着くと滋賀の名物をお礼にと手渡して、またよろしくです、と言って別れた。ホームのベンチで腰掛けていると、隣に座ってきた女性が、「どちらからいらしたのですか?」と話しかけてこられ、子供の仕事の話や孫の話で盛り上がった。そこで、「このあたりのお土産は讃岐うどん以外に何がありますか?」と聞くと、「そら豆を醤油につけて煮た醤油豆と、砂糖で固めた和三宝(わさんぼう)かな」と言われた。「高松駅のコンビニにありますよ、いっしょに行ってあげられたらよいのですけど」と申し訳なさそうに言われた。法然寺に娘さんが勤めていらっしゃるそうで、朗読奉仕をなさっていることもわかった。「もっと早くに知り合っていれば、ゆっくりと案内してあげられたのにね」と言って電車から降りていかれた。高松駅に着いた私たちはコンビニを探して、忙しい店員さんを捕まえて教えていただいたお土産を買った。
  改札口に入って左に折れたところにある多目的トイレに行き、出てきたところで、合羽を脱いだ。マリンライナーの席に座って、何げなく左手首に触れると腕時計とお数珠がない。「ありゃぁ!どこでなくしたんやろう?」と、それからというもの落ち着かない。岡山駅では駅員さんに桃太郎線に乗せてもらって、総社駅まで行って、そこで駅員さんに、お茶を買ってもらい、トイレに案内してもらって、そこでズボンのポッケに腕時計が見つかってほっとした。
  駅員さんと楽しい話をして、また乗ってきた電車で岡山駅までもどり、岡山駅の女性の駅員さんに、車内で食べる夕飯の牛肉弁当を探してもらって、ほとんど餡子だけでできている薄皮の大手饅頭を推薦してくれたので買った。他にも「岡山駅を出たところにあるお店は、デミかつがおいしいよ」と教えてくださったり、「姫路駅のホームでラーメンの汁でうどんが食べられますよ」と新情報をゲット! 忙しいにもかかわらず駅員さんは、いろいろと教えてくれたので嬉しかった。女性の駅員さんが優先座席に案内してくださり、姫路駅でもスムーズに乗り換えができて、野洲駅まで座れて、無事タクシーで自宅に着いた。
  あくる日、私はダメ元で高松駅に電話して、「昨日2時前、そちらでお数珠を落としたように思うのですが?」と尋ねると、年輩らしい駅員さんが、「オレンジで紫の紐の物が落とし物で届いてますよ」と。それを聞くなり「ありがとうございます、それそれ私のです。よかったぁ!」と子供のように叫んでしまった。嬉しさのあまり、どなたが届けてくださったのか尋ねることも忘れていたあわてん坊の私。次の日、無事お数珠が戻ってきた。本当にみなさんに感謝です。
  インターネットが使えない私は、いつもこんな感じで電話と現地で情報を収集しながら、いろんな方に手助けしていただきながら、今も旅を続けている。
  

5.盲導犬情報ボックス

○盲導犬に関する文献
  2016年1月から12月の1年間に発行された盲導犬が登場する書籍を調べてみましたのでご紹介します。

【書籍】
『ハーネスをはずして―北海道盲導犬協会の老犬ホームのこと』辻 惠子【著】 (あすなろ書房) 2016年4月 【点字データ・音声デイジー】


【一部、盲導犬が取り上げられている書籍】

『志信さんと僕の謎解きペットショップ 〈女王の告解〉 TO文庫』新くら 智か【著】 (TOブックス)2016年1月 【点字データ・音声デイジー】

『音に出会った日』ミルン,ジョー【著】〈Milne,Jo〉/加藤 洋子【訳】  (辰巳出版)2016年5月

『ほんとうにあった戦争と平和の話 講談社青い鳥文庫』野上 暁【監修】 (講談社)2016年6月

『ドッグトレーナー・犬の訓練士になるには なるにはbooks』井上 こみち【著】  (ぺりかん社) 2016年8月

『図説知っておきたい!スポット50いぬ RIKUYOSHA Children & YA Books』ベドワイエール,カミラ・ド・ラ【著】 /Babel Corporation【訳出協力】(六耀社) 2016年12月

『イヌのクイズ図鑑 ニューワイド学研の図鑑』今泉 忠明【監修】(学研プラス)2016年12月


【コミック】

『ハッピー!ハッピー♪ <9> BE LOVE KC』 波間 信子(講談社) 2016年5月

『ハッピー!ハッピー♪ <10> BE LOVE KC』 波間 信子(講談社) 2016年12月

6.認定NPO法人全国盲導犬施設連合会からのお知らせ

(1)2016年度資格認定事業の実施状況
 全国盲導犬施設連合会では、盲導犬希望者が全国どこの施設から盲導犬の貸与を受けても、ほぼ一定水準の盲導犬や歩行指導などのサービス提供が得られるように、盲導犬を育成する「盲導犬訓練士」と、盲導犬希望者へ盲導犬との歩行や生活を指導する「盲導犬歩行指導員」の資格の認定事業を加盟施設の協力の下に2007年度より行っております。2016年度は、筆記・実技試験を行った結果、2名の盲導犬訓練士、4名の盲導犬歩行指導員、合計6名の資格認定を行いました。

(2)2017年度の『デュエット』とポスターについて
全国盲導犬施設連合会では盲導犬普及活動として、毎年『デュエット』という広報誌とポスターを作成・発行しています。
2017年度のデュエットでは、「あなたの一声で 安心して一歩踏み出せる」を特集テーマに掲げ、盲導犬使用者の安心安全な歩行を実現する為に、周囲からの積極的な声掛け依頼を発信しています。表紙は、ハーネスをつけた2頭のラブラドール犬が正面を向いて伏せている写真です。全体的には緑色で、明るいイメージで作成しました。
2017年度のポスターは、デュエットと同じ写真を使用しています。ポスターのキャッチコピーも「あなたの一声で 安心して一歩踏み出せる」です。
上半分が写真、下半分には次のような文章が書いてあります。
「盲導犬をお連れの方、お手伝いしましょうか」
あなたの一声で、盲導犬ユーザーは安心して、盲導犬と一緒に一歩を踏み出すことができます。
盲導犬は、ユーザーの外出時に安全な歩行をサポートしますが、万能ではありませんので、皆様からのサポートもお願いする時があります。
緊急時!視覚障害者に注意喚起する時は
まずは「あなたに呼びかけています」ということを伝えて止めてください。
「盲導犬をお連れの方、止まってください」、「白杖の方、動かないで!」などと視覚障害者の方へ「自分に声をかけられていること」が伝わるように、呼びかけて下さい。
あと一歩進んだら駅ホームから落ちてしまう!!
そんなときはやむを得ない緊急事態ですので、視覚障害者の方の身体をつかんで止めてください。

デュエットは、全国盲導犬施設連合会の募金箱を置いてくださっているスーパーなどにあります。無料で配布していますので、置いてあるお店が近くにない場合は、連合会事務局(電話:03-5367-9770)にお問い合わせください。また、デュエットは、当連合会のホームページでも見ることができます。

7.編集後記

  盲導犬ユーザーの転落事故後、この痛ましい事故を二度と繰り返さないために、国、鉄道業者、育成団体、ユーザー、一般市民、マスメディア等々、社会全体が大きく動きだしました。
  中でも事故後、一般の方からは、「盲導犬がいれば絶対安全だし、むしろ声をかけてはいけないと思っていた」「声をかけることでかえって歩行の邪魔をしてしまうのでは」という声をよく聞くようになりました。
  これまで私たちは「仕事中の盲導犬に声をかけないで」と啓発していましたが、これがいつの間にか「ユーザーにも声をかけないで」と拡大解釈され、社会へ浸透してしまったのかもしれません。
  盲導犬といえどもやはり犬、そしてユーザーも人間です。時には失敗もしますし勘違いもあります。盲導犬が一緒なら絶対安全、なんてことはないのです。
  育成団体とユーザーの皆様、そして関係者が再度、盲導犬に関する啓発内容を見直す時期が来ているのかもしれません。