もっともっと、盲導犬を。

盲導犬ユーザーからの、メッセージ。

全国盲導犬施設連合会は、盲導犬ユーザーが組織している「全日本盲導犬使用者の会」と親しく連携し、さまざまな情報や意見を交換しながら、各種の事業を実施しています。同会の盲導犬ユーザーの方々から、「ともに生きる、ともに歩む」をテーマにメッセージをいただきました。


盲導犬ユーザーの声 1

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  • 全日本盲導犬
    使用者の会 会長
  • 清水 和行
  • パートナー:クーリー
    盲導犬ユーザー歴:16年

全日本盲導犬使用者の会は1994年に発足し、それまで交流のなかった全国の使用者が各育成施設の枠を超えて親睦や啓発活動を行っています。現在会員は賛助会員を含め500名ほどおります。翌年、育成施設もアイメイト協会を除く8施設が一本化され、全国盲導犬施設連合会が誕生しました。それまで使用者も育成施設もばらばらに活動してきましたが、それぞれの組織が協力して行くことで、盲導犬事業がより効果的に推進できる体制が確立されたわけです。使用者なくして盲導犬の育成なし、盲導犬の育成なくして使用者なしというわけです。今年は身体障害者補助犬法の改正について検討が行われる年であり、今後は盲導犬事業の更なる発展のために、これまでにも増して両者の協力が期待されています。



盲導犬ユーザーの声 2

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  • 林 克之
  • パートナー:ベッキー
    盲導犬ユーザー歴:7年

阪神淡路を大地震が襲った前年、ぼくは失明した。ある日を境にひとりではどこへも出かけられなくなってしまった。それはとてもさみしく、とても悲しいことだった。ぼくは盲導犬と歩くことを選んだ。どうしても一人で歩きたかった。見えていたころのように、当てもなく町をうろついてみたかった。そしてその願いを盲導犬はかなえてくれた。
 早朝の町をぼくはベッキーと歩く。何のために? 健康のため? そんなことは考えたこともない。のんびりぼんやり歩くことがわけもなく楽しい。散歩こそが盲導犬の与えてくれた最高の喜び、最高の贅沢。
 気がつくと新しい友達が増えた。新しい出会いが数え切れないほど。そうか! これもまた盲導犬のくれたプレゼントなんだ。



盲導犬ユーザーの声 3

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  • 渡辺 宏
  • パートナー:うらら
    盲導犬ユーザー歴:8年

私が盲導犬と暮らすきっかけとなったのは、2人いる息子がまだ幼いころ私はいつも長男(当時年長)の小さな手につかまり誘導してもらっておりました。いつものように家族でスーパーへ買い物に出かけた際、当然のように長男の手を握って店内を誘導してもらっていると目の前を走り回る弟のほうを向きながら「いいな自由に動けて・・・」と私の手を握ったままあまりにも自然に一言もらしたのです。私はそれを聞いて立ちすくんでしまいました。「ああ私の自由のために、こんな幼子の自由を奪ってしまっていたなんて」ショックでした。都合よく親を気取り、じつは自分の満足のために息子を束縛していたことに。そんなとき盲学校の先生が盲導犬を使用するようになり盲導犬の素晴らしさと家族みんながそれぞれの充実を図ることの出来る喜びを知り「これしかない!」と決断し盲導犬うららと出会いました。あれから8年息子達も大きくなり、私に手を差し伸べてくれます。その優しさも共に暮らした盲導犬が息子達に伝えてくれたものなのだと実感しております。 ありがとう! うらら長生きしてね。



盲導犬ユーザーの声 4

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  • 澤田 理絵
  • パートナー:オナー
    盲導犬ユーザー歴:18年

私はこの8年間に、2頭のパートナーと暮らしてきた。彼女たちは歩行の際の私の眼となってくれるだけにとどまらず、それ以上のウエートで心の支えになってくれている。
 大学卒業と同時に盲導犬とであった私にとって、パートナーとの第1歩は歌手という仕事に足を踏み入れたことだった。その後、結婚、出産、育児などの経験にすべて付き合ってくれている。
 傍らに伏せてやさしく見守ってくれたり、恋人や子供たちにやきもちを焼いてすこしいたずらをして困らせてくれたりといろいろな表情を見るにつれ、親密さがどんどん深まっていく。
 今日もハーネスのかちゃかちゃとなる音が心地よく響く。いとしいもののやわらかく暖かい感触を左ももで味わいながら私たちは歩く。未知の場所、心踊る出来事、そしてすてきな人々と出会うために。



盲導犬ユーザーの声 5

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  • 栗田 陽子
  • パートナー:レベッカ
    盲導犬ユーザー歴:9年(2頭目)

私が盲導犬に導かれ、初めて街を歩いた日。
交差点や脇道、段差のある所では、ぴたりと止まって、障害物を避けて歩く姿に感動しました。「人間が犬のぬいぐるみを着ているのでは?」と思えるほど驚きました。盲導犬と歩くようになって、日差しの温もり、頬を撫で、心地よく過ぎ行く風、草花の香りなど、街の風景や季節の移り変わりを楽しむことが出来るようになりました。
 「さあ、出かけるよ」とレベッカに声を掛けると、玄関へダッシュする足音が家中にシャカシャカと響きます。私は、毎朝この足音を聞き、レベッカのハーネスを握り、一歩二歩と足を踏み出す時、私の心の中には、今日、明日への期待が膨らみ、いつでも何処へでも自由に出かけることが出来る喜びを改めて感じます。
 「レベッカ、ありがとう」